生成AI(LLM)に、どの情報を参照してほしいか、どのように扱ってほしいかを伝える新しい仕組みとして「LLMs.txt」が注目されています。
一方で「本当に必要なのか?」「効果はあるのか?」といった疑問も多く、現時点ではすべてのサイトで導入が必須というわけではありません。
この記事では、LLMs.txtの概要をはじめ、基本的な書き方やWordPressでの設置方法について解説します。
「なぜ現時点で最重要項目ではないのか」という理由や注意点にも触れているため、導入を検討する際の参考にしてください。

宍戸 僚
- 「AI流入最適化プロ」ディレクター
- SEOマーケティングの専門家
- SEO支援実績は100社以上
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LLMs.txtとは?

LLMs.txt(Large Language Models Text)とは、LLM(大規模言語モデル)に自社サイトのページ内容をわかりやすく伝えるための専用ファイルです。
検索エンジンに向けたrobots.txtのAI版と考えるとイメージしやすいでしょう。
一般的には、生成AIが理解しやすいように見出しや箇条書きを使ったMarkdown(マークダウン)形式で記述します。
LLMs.txtの目的
LLMs.txtの主な目的は以下の2つです。
- 生成AIがサイト内の重要な情報を正確に把握し、適切に引用できるようにすること
- サイト管理者が「AIに読ませたい情報」と「AIに参照させたくない情報」を明確に指定してコントロールすること
robots.txtやsitemap.xmlとは異なり、生成AI(LLM)専用に、見出しや箇条書きなどで整理された形式で情報を提供できるのが特徴です。
コンテンツ提供者の意図や利用範囲を、AIに直接伝える役割を持ちます。
LLMs.txtとrobots.txtの違い
LLMs.txtとrobots.txtの大きな違いは、対象となるクローラーとそれぞれの役割にあります。
LLMs.txt | robots.txt | |
---|---|---|
主な目的 | AIに利用可否や優先情報を伝える | 検索エンジンにクロール可否を伝える |
対象 | AIクローラー (GPTBot、ClaudeBot等) | 検索エンジンクローラー (Googlebot等) |
指示内容 | コンテンツ利用の可否や利用範囲の指定 | クロールの可否 |
記述形式 | Markdown形式(推奨) | プレーンテキスト |
効果 | AIによる引用・学習範囲の調整 | インデックス最適化や非公開領域の保護 |
LLMs.txtは、AIクローラーに「どの情報を参照してよいか」「どのように扱ってほしいか」を伝えるためのファイルです。著作権対応やAI時代のコンテンツ管理に役立ちます。
一方、robots.txtは検索エンジンのクロールを制御し、インデックス最適化や非公開領域の保護を目的とします。
どちらも役割が異なるため、競合しません。併用することでより包括的なサイト管理が可能です。
LLMs.txtはLLMO対策での最重要項目ではない

LLMs.txtは、2024年9月にfast.aiのJeremy Howard(ジェレミー・ハワード)氏によって提案された、AIに重要な情報を適切に伝えるためのファイルです。(参考:The /llms.txt file)
その後、LLMO対策の一つとして試験的に導入するサイトが増えてきました。
しかし、2025年9月現在、主要な生成AIサービスがLLMs.txtを正式に利用している事例は確認されていません。
2025年6月にはGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏がBluesky上で「現在、AIシステムではllms.txtは使用されていません」とコメントしています。
それ以前にも、Redditで「どのAIサービスもllms.txtを使っているとは聞いていない。SEOのキーワードメタタグのようなものだ」とも述べています。
こうした状況から、LLMs.txtは現時点ではLLMO対策の最重要項目とは言えません。
将来的に状況が変わる可能性はあるものの、今は数ある施策の一つとして理解し、過度に時間をかけないほうが賢明でしょう。
次の章からは、そのうえで試してみたい方に向けて、LLMs.txtの書き方と設置方法を紹介します。
LLMs.txtの書き方

LLMs.txtの書き方に厳密なルールはありません。見出しやリンクを使って情報を整理でき、AIが読み取りやすいことから、Markdown形式での記述が推奨されています。
ここでは、公式サイト「https://llmstxt.org/」に掲載されている例を参考に、シンプルな書き方を紹介します。
# プロジェクト名(サイト名)
> プロジェクトの簡単な説明
プロジェクトに関する補足情報
## 詳細情報
– [ページタイトル](URL): ページの簡単な説明
## その他(優先度の低いページ)
– [ページタイトル](URL): ページの簡単な説明
実際に導入する際は、自社サイトのページ構成や伝えたい内容に合わせて調整してください。
1. # プロジェクト名(サイト名)
「#」はMarkdownでH1見出し(一番大きな見出し)を表します。
LLMs.txtでは、このH1見出しを使ってサイト全体の名前(プロジェクト名)を明示することが必須です。AIクローラーが、ファイルの冒頭でサイト名を正確に認識できます。
「#」の後ろに半角スペースを入れて、正式な会社名やサイト名をそのまま書きましょう。
記述例
# 株式会社Webライタープロ
2. > プロジェクトの簡単な説明
プロジェクトの説明は、Markdownの引用記号「>」を使って記述します。
「>」の後に半角スペースを入れて、Webサイトの概要を1~2文程度で簡潔にまとめましょう。
記述例
> SEO記事制作やSEOコンサルティング、LLMO対策などを通じて、さまざまな分野の企業を支援しています。
3. ## 詳細情報
「##」はMarkdownでH2見出しを表します。
AIに優先的に理解してほしい重要ページをまとめて紹介しましょう。
記述例
## サービス内容
4. – [ページタイトル](URL)
「-」の後に半角スペースを入れて、AIクローラーに優先的に参照してほしいページをリスト形式で記載します。
特に、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示せるページを入れると効果的です。
記述例
– [AI流入最適化プロ](https://webwriter-pro.co.jp/llmo/): LLMO対策支援
– [SEO記事制作](https://webwriter-pro.co.jp/): SEOコンサル、記事制作支援
WordPressにLLMs.txtを設置する方法

作成したLLMs.txtを、WordPressを使ったWebサイトに設置する方法を紹介します。
- ルートディレクトリに直接アップロードする
- WordPressのプラグインを使う
1. ルートディレクトリに直接アップロードする
LLMs.txtを自分で作成し、ルートディレクトリ(Webサイトの最上位フォルダ)にアップロードする方法です。FTPソフト(FileZillaなど)やレンタルサーバーのファイルマネージャーを使用します。
配置場所はrobots.txtやsitemap.xmlと同じ、ドメイン直下にしてください。wp-contentやwp-adminではなく、必ずサイトのトップ階層に置くことが重要です。
その際、WebサイトのURLが「https://example.com」の場合、LLMs.txtは「https://example.com/llms.txt」としてアクセスできる必要があります。
アップロード時に、既存ファイルを誤って上書きしないように気をつけましょう。
設置が完了したら、ブラウザで正しく表示されるか確認します。
「https://www.example.com(サイトのURL)/llms.txt」と入力し、正しく表示されればアップロード完了です。wwwの有無やHTTPSの違いに注意して確認してください。
2. WordPressのプラグインを使う
WordPressには、LLMs.txtを作成できるプラグインが複数あります。
無料で利用できるものもあり、自分で直接アップロードするよりも簡単に作業できるのがメリットです。作業時のミスも減らせます。
ただし、プラグインによってはサイト速度や互換性に注意が必要です。更新状況も導入前に確認しましょう。
よく使われているプラグインを2つ紹介します。
(1)Website LLMs.txt

Website LLMs.txtは、無料でLLMs.txtファイルを作成できるプラグインです。Yoast SEOやRankMathといった、SEOプラグインとの連携も行えます。
- LLMs.txtの自動生成
- カスタム投稿タイプの選択と順序
- SEOプラグインとの統合 (Yoast SEO、RankMath)
- サイトマップの統合
- キャッシュ管理
- 設定可能な更新頻度
(2)Advanced LLMs.txt Generator

Advanced LLMs.txt Generatorも、無料でLLMs.txtファイルを作成できるプラグインです。毎日の自動更新により、ファイルを最新の状態に保ちます。
- LLMs.txtファイルの自動生成
- 手動ファイル更新
- キャッシュ システム
- 毎日の自動更新
- カスタマイズ可能な設定
LLMs.txtの設置方法がイマイチわからない場合は、LLMO対策サービスを提供する「AI流入最適化プロ」までお気軽にご相談ください。
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LLMs.txtを設置する際の注意点

LLMs.txtを設置する際に、知っておくべき注意点を紹介します。
- 効果が保証されているLLMO対策ではない
- robots.txtの代替ではない点を理解する
- 定期的に情報を更新する必要がある
1. 効果が保証されているLLMO対策ではない
LLMs.txtは、現時点で効果が保証されたLLMO対策ではない点に注意が必要です。設置することでAIが必ず情報を参照したり、検索流入が増えたりするわけではありません。
業界で正式に標準化された仕様ではなく、まだ提案レベルの技術であることを理解しておきましょう。
ほかのLLMO対策と並行して取り組むことをおすすめします。
2. robots.txtの代替ではない点を理解する
LLMs.txtとrobots.txtは、対象と役割がまったく異なります。
LLMs.txtは、生成AI向けに「この情報を参照してよい」と伝えるためのファイルです。検索エンジンのクロールを制御する機能はありません。
そのため、クローラーにアクセスさせたくないページがある場合は、従来どおりrobots.txtを利用してブロックする必要があります。
LLMs.txtだけで非公開領域の保護はできない点を理解しておきましょう。
3. 定期的に情報を更新する必要がある
Webサイトに新しいページを追加したときや、既存ページの内容を大きく更新した場合は、LLMs.txtも必ず併せて更新しましょう。
生成AIに最新の情報を正しく伝えるために欠かせない作業です。
SEO記事のリライトと同じように、定期的なチェックと修正を習慣化する必要があります。
LLMs.txt以外に重要なLLMO対策

LLMO対策では、効果が保証されていないLLMs.txtよりも、優先度高めで取り組むべき項目がたくさんあります。
具体的には次のような施策です。
- 構造化マークアップの実装
- 適切なHTMLタグの実装
- サイトパフォーマンスの最適化
- robots.txtによる制御の確認
- 上位表示を目指したSEOライティング
- AIが引用しやすい形式でのライティング
- E-E-A-Tを意識した情報発信
- 一次情報を用いたコンテンツの差別化
- 定期的なアップデートの実施
- 発信内容の一貫性を維持する
- 比較記事や口コミによる評価を得る
- サイテーションの獲得を促進する
- 良質な被リンクの獲得を促進する
詳しくは以下の記事でまとめているので、できることから始めましょう。

もし何から始めるべきか判断できない場合は、「AI流入最適化プロ」までご相談ください。
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LLMs.txtに関するよくある質問と回答

LLMs.txtに関して聞かれることが多い、よくある質問に回答します。
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