「インタビュー記事は時間がかかって大変そう…」
「そもそもインタビューってどうやればいいの?」
「記事の書き方を詳しく教えてほしい!」
上記のような方に向けて、この記事ではインタビュー記事の書き方とコツをわかりやすく解説します。初めて挑戦する人でも理解しやすいように、完成するまでの流れに沿ってまとめました。
他にも、インタビュー記事の制作で豊富な実績がある弊社の経験をもとに、以下について解説します。
- インタビュー記事の形式と書き方の例文
- 記事を書くときに意識すべき3つのコツ
- インタビューを成功させる6つのポイント
独自の取材に基づいて制作するインタビュー記事は、商品やサービスへの理解を深めたり、リアルな声を伝えたりする方法として有効です。品質の高い記事を制作するためのテクニックを学びましょう。
なお弊社では、インタビュー記事の制作に特化した「取材ライタープロ」というチームを用意しています。インタビュー記事の制作でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
沖ケイタ
- 株式会社沖プロ代表
- 株式会社Webライタープロ取締役
- 1700人以上が受講するWebライター講座「Writing Hacks」メイン講師
- 100名の精鋭Webライター集団「Webライタープロ」運営
- 執筆に携わった記事は数千記事を超える
インタビュー記事とは?主な目的と効果
インタビュー記事とは、対象とする企業や人物に取材を行い、その内容をもとに執筆する記事のことです。
リアルな声を反映させた信ぴょう性の高い記事が制作できるため、読者の心に響きやすくなります。
例えば、以下のような目的で記事を制作した場合に得られる効果は以下のとおりです。
目的 | 得られる効果 |
---|---|
社員インタビュー | 企業の想いや社内の雰囲気を伝えられる |
新商品の紹介 | 商品(サービス)への理解を深められる |
利用者の声 | 成約率の向上につながる |
影響力のある人物との対談 | 特定のテーマに対する理解を深められる |
流し読みされやすいSEO記事と違い、読者に興味をもって読んでもらいやすいのが特徴です。その結果、信頼性の向上にもつながります。
ただし、インタビュー記事は、聞き手から得た情報をそのまま書けばよいわけではありません。
書き方によって伝わり方が大きく変わってしまうため、わかりやすい構成や表現で伝えるスキルが求められます。より具体的なエピソードを聞き出せるように、取材前の準備も重要です。
また、インタビュー記事では取材をする人を「インタビュアー」、される側の人を「インタビュイー」と呼びます。あわせて覚えておきましょう。
取材前の準備からインタビューまでの流れ5ステップ
STEP1. 記事制作の目的を明確にした企画立案
STEP2. インタビュイーの選定とアポ取り
STEP3. インタビュイーのリサーチ
STEP4. 質問内容と優先順位の決定
STEP5. インタビューの実施
STEP1. 記事制作の目的を明確にした企画立案
まず、インタビュー記事を制作する目的を明確にして企画を考えます。読者にどのような行動につなげてほしいのかまでイメージしましょう。
例えば、特定のサービスの購入につなげることを目的とした「お客様の声」をテーマとする場合は、購入後の変化やメリットなどがきちんと伝わる記事ほど読者の感情が動きます。特に響いてほしいターゲット層を明確にしたうえで、企画を進めることがポイントです。
どのような情報を読者に提供すべきかを考え、大まかな構成を作っておきましょう。
達成したい目的によっては、SEO記事と同時進行で進めるケースもあります。
STEP2. インタビュイーの選定とアポ取り
インタビュイー(取材対象)を選定し、約束(アポイントメント)を取ります。インタビュー記事を制作する目的をきちんと伝え、相手に失礼がないように依頼しましょう。
その際、以下の項目はきちんと伝えておくことが大切です。
- 取材のテーマ
- 掲載するメディア
- 取材を行う方法
- 写真撮影の有無
- 取材日時の候補
- 謝礼・交通費
オフラインで取材を実施する場合は、場所の選定や予約をしておく必要があります。写真撮影や音声を録音することを考慮して、問題なく対応できる場所を選定しましょう。
STEP3. インタビュイーのリサーチ
インタビュイーに関する情報を事前にリサーチし、質問を作成します。
インターネット上で調べたらわかる情報は、取材当日に知っている前提で質問できる状態にしておくことがポイントです。
万が一、リサーチ不足で当日を迎えてしまうと、インタビュイーから深い情報を聞き出せない可能性があります。少し調べればわかる情報ばかり質問していると、相手もいい気はしません。
具体的に、以下のような部分をリサーチしておきましょう。
- 基本的なプロフィール
- 過去の実績
- 企業の基本情報
- SNSやブログ
- 関連する書籍
より深くリサーチできるほど、取材当日にインタビュイーの魅力を引き出せます。
STEP4. 質問内容と優先順位の決定
リサーチして得た情報をもとに、当日の質問内容を考えます。質問する内容によって記事の質が異なるため、特に重要な部分です。
スムーズに話を聞き出せるように、ある程度の順番を決めておきましょう。
また、当日の流れや状況によっては、用意したすべての質問に回答してもらえない可能性があります。質問の優先順位を決め、時間を確認しながら調整できるようにしておくと安心です。
例えば、サービスを導入したお客様にインタビューをする場合は、以下のような流れで質問するとスムーズに進められます。
- 導入前に抱えていた課題
- 導入に至った経緯
- そのサービスを選んだ理由
- 導入後の変化や感じた効果
「導入前の課題→導入プロセス→導入後の効果」という流れによって、時系列で話を聞き出しやすくなるのがメリットです。
なお、質問の内容を事前に共有しておくことで、インタビュイー側も回答をある程度準備してくれる可能性が高まります。回答できない質問に触れてしまうという事態を避けられるのもメリットです。
可能であれば、時間に余裕をもって共有しておきましょう。
STEP5. インタビューの実施
インタビュー当日は、用意した質問内容に沿って進めます。録音や録画はインタビュイーの許可を得てからスタートしてください。
話の内容が少し脱線してしまっても、そこから思わぬエピソードを知るきっかけにつながるかもしれません。「全部聞かなくてはいけない」ということばかり考えすぎず、自然な会話の流れで情報を聞き出すことを意識しましょう。
なお、インタビュー時のコツは「インタビューを成功させる6つのポイント」で紹介しています。当日をスムーズに迎えられるように、ぜひ最後までご覧ください。
インタビュー記事の書き方5ステップ
STEP1. 文字起こし
STEP2. 構成の作成
STEP3. 記事の執筆
STEP4. 編集・校正・校閲
STEP5. インタビュイーにチェックを依頼
STEP1. 文字起こし
文字起こしとは、録音したデータを文章化する作業のことです。
インタビュー終了後、できる限り早めに文字起こしをしましょう。会話の内容を鮮明に覚えているうちにやったほうが、会話の内容を振り返りながらスムーズに進められます。
文字起こしの際は「えー」「あー」といった意味のない言葉や、言い直した部分などをカットしておくとよいでしょう。この作業をケバ取りといい、記事としてまとめるときに余計な言葉がないので作業しやすくなります。
なお、10分の録音データを文字起こしする場合、1時間程度かかると言われています。インタビューの時間が長いほど時間のかかる作業なので、ツールを活用するのも1つの方法です。
STEP2. 構成の作成
取材した情報が読者に伝わりやすくなるように、構成を作成します。インタビュー記事の目的からズレないようにしましょう。
取材した内容をすべて含める必要はありません。記事のボリュームやストーリー性を考慮しながら、必要な情報を選択していきます。
質問の順番通りにする必要はないため、読者に伝わりやすくなるように並び替えましょう。
STEP3. 記事の執筆
文字起こしした文章をもとに記事を執筆します。話し言葉で伝わりにくい部分を調整しながら、読みやすい文章に修正しましょう。
- 主語を追加する
- 助詞を入れる
- 語尾を変更する
- 文章のねじれを直す
- 一文を短くする
あくまでも意識すべきなのは、”読みやすい文章に編集する”という視点です。インタビュイーが伝えたい想いや人柄が、異なるニュアンスで伝わらないように注意してください。
「もっと詳しく伝えたい」という気持ちから、インタビュイーが回答していない発言を勝手に追加するのはNGです。
ただし、読者が理解できない専門用語が出てくる場合は、説明となる文章を追記しておく必要があります。ターゲットとなる読者層に合わせて、読みやすくなるように工夫しましょう。
STEP4. 編集・校正・校閲
執筆した文章の編集・校正・校閲を行います。可能であれば、インタビュイー以外の第三者にチェックしてもらいましょう。
インタビュイーが発言した言葉が、すべて正しいとは限りません。内容の事実確認を行い、相違がある場合はインタビュイーに確認のうえ、適切な情報に訂正します。
STEP5. インタビュイーにチェックを依頼
記事を公開する前に、インタビュイーにチェックしてもらいましょう。写真を含めた完成形の状態で確認してもらうことをおすすめします。
ときには「この内容はやっぱり入れないでほしい」といったお願いをされることがあるかもしれません。インタビュイーの気持ちに配慮しつつ、双方が納得のいく状態でインタビュー記事を完成させましょう。
なお弊社では、インタビュー記事に特化した「取材ライタープロ」というチームが制作を行います。現地での写真撮影にも対応していますので、インタビュー記事の外注を検討している方はお気軽にお問い合わせください。
インタビュー記事の形式と書き方の例文
1. 対談形式(Q&A形式)
2. モノローグ形式(一人称形式)
3. ルポルタージュ形式(三人称形式)
1. 対談形式(Q&A形式)
インタビュー記事でよくあるのが、質問と回答で会話をしているように見せる対談形式(Q&A形式)です。
自然な流れでリズム感良く読めるため、読者が内容を理解しやすくなります。まさにインタビュー記事らしい書き方といえるでしょう。
複数人を集めた座談会形式の取材でも、誰が何を話したのかが伝わりやすくなります。
一方で、会話形式になることから、文章量が多くなりやすいのがデメリットです。情報量が多い場合は、伝えるべき情報を精査しながら指定された文字数でまとめる必要があります。
対談形式の例文
沖:数ある在宅ワークの中で、Webライターを選んだのはなぜですか?
鈴木:子育てと両立しやすい仕事だと感じたからです。
沖:実際にやってみて、どんな変化がありましたか?
鈴木:納期にさえ間に合えば自分の好きなタイミングで仕事ができるので、かなり助かっています。パートで働いていた頃は、子供が熱を出すたびに仕事を休んでいました。休みの連絡をするのがいつも苦痛だったんですよね…
2. モノローグ形式(一人称形式)
モノローグ形式(一人称形式)は、インタビュイーが一人で話しているように見せる書き方です。一般的に「です・ます調」を用いた文章で執筆します。
インタビュイー自身になりきって執筆するため、その人が伝えたい想いや人柄を表現しやすいのが特徴です。メッセージ性の高いインタビュー記事を制作したい場合に適しています。
ただし、冗長的な文章になりやすく、途中で話題を変えにくいのがデメリットです。インタビュー記事を制作する目的によっては、モノローグ形式が向いていないことも多いでしょう。
モノローグ形式の例文
Webライターになって、私の人生は好転しました。いざというときに子供を優先できるため、ストレスなく働ける環境が最高です。上司の嫌味に耐え続けた会社員の頃よりも、安定した収入を得ています。
3. ルポルタージュ形式(三人称形式)
ルポルタージュ形式(三人称形式)は、第三者の視点で取材内容を客観的にまとめた書き方です。「だ・である調」で執筆するケースが多く、論理的で説得力の高い記事を書きたい場合に適しています。
一方で、文章が硬くなり、インタビュイーの人柄が伝わりにくいのがデメリットです。ライターの文章力によって、完成度の高さに差が出やすいともいえます。
ルポルタージュ形式の例文
仕事と子育ての両立に悩んでいた鈴木さん。子供の体調不良で会社を休まなければならないことが多く、そのたびに上司のきつい言葉に傷ついてきたという。そんな彼女は笑顔で「Webライターに挑戦して良かった」と語ってくれた。
インタビュー記事の書き方で意識すべき3つのコツ
1. 人柄が伝わる内容を盛り込む
2. ストーリー性を意識した流れにする
3. 読者目線で必要な情報を盛り込む
1. 人柄が伝わる内容を盛り込む
インタビュー記事では、インタビュイーの人柄が伝わるように意識することで、読者がより興味をもって読み進められるようになります。
面白いエピソードを盛り込んだり、和やかな雰囲気が伝わるように工夫したり、インタビュー時の様子を読者がイメージできるのが理想です。
文字起こしで不要な言葉をカットしつつも、人柄がわかる部分はあえて残しておきましょう。
2. ストーリー性を意識した流れにする
ストーリー性を意識した流れで構成すると、読者が興味をもって読み進められるインタビュー記事になります。
例えば「企業が急成長した背景」をテーマにしたインタビュー記事の場合は、過去・現在・未来という順番で展開するとよいでしょう。
基本の型として意識したいのが「起承転結」です。
起 | 企業の情報、過去と現在の変化 |
---|---|
承 | これまでの苦労や試行錯誤した様子 |
転 | 急成長したきっかけ、変化したこと |
結 | 今後の目標や課題 |
他にも、過去の話題から時系列で進めて、徐々に盛り上げていく方法もあります。
インタビュー記事の目的や読者層を想定して、読みやすい流れでエピソードを盛り込みましょう。
3. 読者目線で必要な情報を盛り込む
インタビュー記事では、具体的なエピソードがあるほど面白い記事になり、読者に読まれやすくなります。
例えば商品を使用したお客様の声を掲載する場合、使った感想だけを並べるよりも、具体的な使い方をイメージできるほど親近感がわくでしょう。
どんな情報を濃くすれば読者の感情が動くかを考えながら、必要なエピソードを見極めるのがポイントです。
インタビューでたくさんの情報を得たからといって、あれもこれも含める必要はありません。
なお、弊社のYouTubeでも取材記事を書くコツを解説しています。あわせてご覧ください。
インタビューを成功させる6つのポイント
1. 当日必要なものを事前に準備しておく
2. アイスブレイクで緊張をほぐす
3. 適度に相づちを入れて話に集中する
4. 質問の回答を深掘りする
5. 時間を意識して質問を進める
6. 理解できない部分は素直に聞く
1. 当日必要なものを事前に準備しておく
インタビュー当日に慌てないように、必要なものを事前に準備しておいてください。
オフラインでインタビューを行う場合、インタビュー当日に必要なものは以下のとおりです。
- ボイスレコーダー
- 名刺
- 筆記用具
- カメラ(撮影を含む場合)
- パソコン(必要であれば)
充電切れといったトラブルを想定して、録音できる機材は複数台用意しておくとよいでしょう。途中から録音できていなかったというケースも意外とあります。
また、事前に用意した質問をパソコンやメモにまとめ、確認しやすくしておくことも大切です。
なお、録音や録画を行う場合は、必ずインタビュイーの許可を得てからスタートしてください。
2. アイスブレイクで緊張をほぐす
アイスブレイクとは、インタビューを始める前に場の空気を和ますコミュニケーションのことです。自己紹介や雑談などから始め、インタビュイーが話しやすい環境を整えましょう。
天気や最近のニュースといった情報であれば、誰でも話しやすい話題です。インタビュイーのSNSをチェックし、それについて触れるのもよいでしょう。
お互いの緊張をほぐして距離を縮めることで、取材の質の向上にもつながります。
3. 適度に相づちを入れて話に集中する
インタビュー中は、相手が気持ちよく話せる雰囲気づくりを大切にしましょう。
「なるほど」「えっ!それはすごいですね!」など、適度に相づちを入れて、表情で感情が伝わるように意識してみてください。少しオーバー気味にリアクションをしたほうが、相手に伝わりやすくなります。
また、メモを取るのは大事な言葉や数字などのみにして、話を聞くことに集中しましょう。それ以外は録音データに頼ればOKです。
4. 質問の回答を深掘りする
できる限り深い情報を聞き出せるように、質問の回答を深掘りしながらインタビューを行いましょう。具体的なエピソードがあると、読者に伝わりやすくなります。
深掘りする際は「5W1H」を意識して、足りていない情報を引き出していくのがおすすめです。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
「いつ頃から考えていたのですか?」「なぜそれを選択したのですか?」など、特に重要な質問を深掘りしましょう。
5. 時間を意識して質問を進める
事前に質問の内容を決めていても「時間の関係ですべて聞けなかった」という結果になることが多々あります。
用意したすべての質問に回答してもらうのが難しそうな場合は、優先順位に沿って臨機応変に対応できるようにしましょう。
また、インタビューを進めるなかで、話が脱線してしまうケースがあります。そこから得られる情報もありますが、まったく違う話題に脱線して時間が足りなくなりそうな場合は、自然な流れで話を戻したいところです。
その際、途中で会話を遮って突然話題を変えるのは絶対にやめましょう。相手が不愉快に感じない伝え方で、インタビュアーが誘導しながら話を戻してみてください。
ときには脱線した会話の中に重要なキーワードが含まれていることもあるため、常にインタビュー記事の目的を意識しながら必要な情報を見極めていくのがポイントです。
6. 理解できない部分は素直に聞く
インタビュー前にリサーチをしていても、業界用語や専門用語など、理解できない言葉が出てくることがあります。わからない状態のまま話を進めずに「○○の意味がわからないので教えていただけますか?」と素直に聞きましょう。
「勉強不足ですみません」「話を遮ってすみません」など、ていねいに質問をすれば相手も嫌な気持ちにはならないはずです。
知ったかぶりで進めるとその後の会話に集中できなくなるため、わからない部分はその場で解決しましょう。