NotebookLM(ノートブックLM)は、Googleが無料で提供する生成AIサービス。書籍や論文などのファイルをアップロードすると、内容を理解し、知りたい情報を整理して教えてくれるのが特徴です。
学習(勉強)や仕事の効率化につながる便利なサービスとして人気を集めています。
使い方を調べてみたところ、PDFファイルも読み込めるとのこと。早速、スキャン代行サービスでPDF化(電子化)したファイルを読み込ませてみました。
この記事では、私自身が実際に使ってみた感想をまとめています。
- NotebookLMの機能と使い方
- スキャン代行サービス「スキャンピー」の概要
- 基本的な学習方法
- 学習を効率化する方法
- アップロード時の注意点
上記の順で初めて使う人でも理解しやすいように紹介するので、ぜひ実際に試してみてください。

七瀬あみ
- 株式会社Webライタープロ所属
- 3人の子供を育てる主婦ライター
- 運営ブログは受賞歴あり
- 40種類以上の資格を保有
- サイト構築や編集など、幅広い業務に対応
NotebookLM(ノートブックLM)とは?機能と使い方を解説

NotebookLM(ノートブックLM)は、Googleが無料で提供する生成AIサービスとして2023年夏に発表されました。
2024年6月には、日本を含む200以上の国や地域への提供を開始。高性能の大規模言語モデルであるGemini 1.5Proを搭載していることでも話題を呼んでいます。
主な機能と基本的な使い方から紹介するので、ぜひ直接触れながら試してみてください。
1. NotebookLMの主な機能
2. ファイルのアップロード方法
1. NotebookLMの主な機能
NotebookLMは、情報整理に最適なAIツールです。書籍や論文、WebサイトのURLなどをアップロードすると、テキストの内容を理解して情報をまとめてくれます。
ユーザーが提供したデータに基づいて回答を生成するため、情報の誤りが少ないのが最大のメリットです。
ちなみにChatGPTの場合は、インターネット上にある膨大なデータを収集して回答を行います。その結果、正確ではない情報を事実のように生成してしまうハルシネーションが問題視されている現状です。
「AI=信用できない」と感じ、学習や仕事ではAIをほとんど利用しないユーザーも多いでしょう。
しかし、NotebookLMではアップロードしたデータに基づいた回答しか行いません。チャットで質問した回答には、根拠(ソース)が明確に記されています。
ChatGPTと違い、ハルシネーションといえる現象が起こりにくいのが強みです。
特に仕事や研究など、記述ミスが許されない状況で利用する方にとっては1番のメリットといえます。
文章を読むのが苦手な方、忙しい方、膨大な参考資料を管理する方などに適しているでしょう。
2. ファイルのアップロード方法
NotebookLMは、Googleアカウントがあれば誰でも利用できます。
「新しいノートブック」を選択し、ファイルをアップロードしましょう。

アップロード方法は5種類です。

- Googleドライブ
- テキストファイル(.tex ファイル)
- コピーされたテキスト
- WebページのURL
今回は、スキャン代行サービスでPDF化したファイルを読み込ませてみました。「PDF」を選択してアップロードに進みます。
ファイルの大きさにもよりますが、少し時間がかかるので待ちましょう。やや大きいファイルは、アップロードが完了するまでに30秒くらいかかりました。
アップロードされたデータをもとに、ノートブックガイドとして概要やよくある質問などが生成されます。

これだけでもかなり役立つ情報です。
なお、読み込ませたデータはNotebookLMの学習には使われないとされています。ただし、不正使用への対応やサービス改善のために、人間が見る可能性があるようです。

また、アップロードするファイルによっては不正確な情報が表示される可能性もあります。そういった点を理解したうえで使用しましょう。
本や書類をPDF化できる「スキャンピー」の概要

基本料金 | 300ページまで:88円/冊 301ページ~:176円/冊 |
---|---|
お得なプラン | バリューパック:231円/冊 ※10冊~利用可能 |
冊数 | 1冊~ |
対応ページ数 | 無制限 |
可能サイズ | A3まで |
納期 | 特急便:入金から2日以内 7日便:入金から7日以内 通常便: 25日(100冊まで) 40日(101~200冊) 50日(201~500冊) 60日(501冊以上) |
データの保証期間 | 30日間 |
店頭受付 | 東京・大阪 |
スキャンピーは、本や書類をPDF化(電子化)できるスキャン代行(自炊代行)サービスです。
本をPDF化する方法は2種類あります。
- 手もとにある本を裁断&スキャン代行しPDF化(電子化)
- Amazonや楽天ブックスなど、オンライン書店で購入した本を直接PDF化(電子化)
70校以上の大学から作業を依頼された実績があり、累計20万名以上に利用されている安心のサービスです。
以下のような悩みをもつ方から需要があります。
- 本が増えすぎて困っている
- 紙の本だと持ち運びが大変
- 本が多すぎて必要な情報を探しにくい…
私は初めてスキャン代行サービスを利用しましたが、綺麗な仕上がりに大満足です。

細かい文字も鮮明にPDF化されています。

しかもスキャンピーは、最短で入金から2日以内に納品してもらえるのも魅力です。数あるスキャン代行サービスのなかで、納期が早く、コスパ良く対応してくれる業者として定評があります。
詳しくは実際に利用した感想をまとめたレビュー記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

NotebookLM×PDFファイルでできる4つの学習方法

NotebookLMにはさまざまな機能や使い方がありますが、この記事ではPDF化したファイルをもとに解説します。
1. ノートブックガイドを活用する
2. チャットで質問する
3. 回答を保存する
4. 自分でメモをする
1. ノートブックガイドを活用する
ファイルをアップロードすると、自動でノートブックガイドが生成されます。
数百ページに及ぶ本でも、わかりやすく要約してくれるのが魅力です。

大量の本があると、どの本に何が書いてあるのかわからなくなる方も多いのではないでしょうか。そんなときでも概要を見れば、おおよその内容をすぐに把握できるのがメリットです。
特にWebライターとしてさまざまな学習を行ってきた私にとって、NotebookLMで情報を整理できるのは画期的でした。PDFのファイルと一緒に、関連性のあるWebサイトの情報をまとめることも可能です。
学習(勉強)や仕事を効率化できる、情報整理に最適なツールといえるでしょう。
具体的にどのような情報を生成できるのかを紹介します。
(1)よくある質問
通常、よくある質問は、ユーザーから頻繁にある質問をもとに作成されます。
対してNotebookLMでは、要約した内容をよくある質問の記述形式でわかりやすくまとめているのが特徴です。

本を読んでから活用すれば、内容をきちんと把握できているかを確認できます。学習の効率化に役立つでしょう。
(2)学習ガイド
学習ガイドは、アップロードされた情報をもとに小テストと解答例、論述問題などを生成してくれる機能です。

よくある質問と同様に、理解度を確認するうえで役立ちます。教師や講師として教える立場の人は、簡単に問題を作ることが可能です。
学習(勉強)目的で利用する方は、ぜひ活用しましょう。
(3)目次
NotebookLMが生成する目次は、本の目次をそのまま抽出するわけではありません。アップロードされた情報をもとに、AIが目次を生成します。
同じ本で2回生成してみたところ、1回目は文章を整理した目次(画像左側)、2回目は「8つのテクニック」といった数字を用いた目次(画像右側)が生成されました。

自分好みの形式になるまで、何度か試してみても良さそうです。
目次機能は論文を読むときや、仕事で資料をまとめるときなどに役立つ機能だと感じます。特に目次のない文章の情報整理に最適です。
(4)タイムライン
タイムラインは、時系列を整理したいときに便利な機能です。今回アップロードした本は時系列の情報がほとんどなかったため、うまく表示されませんでした。
著者の情報だけが時系列でまとめられています。

用いるデータによっては、勉強や仕事に役立つ機能だと感じました。
(5)ブリーフィングドキュメント
ビジネスシーンにおいて、簡単な打ち合わせや報告会などをブリーフィングといいます。ブリーフィングドキュメントは、情報を簡潔に伝えるための説明資料のことです。
NotebookLMで読み込んだデータをまとめ、簡単な資料として生成します。

そのまま講演ができるような内容で「テーマ・構成・最重要ポイント」がわかりやすくまとめられていました。
2. チャットで質問する
チャットで質問をすると、アップロードした情報に基づいて回答を生成します。根拠(ソース)となる部分とともにまとめてくれるため、ファクトチェックしやすいのが特徴です。
あくまでも情報に基づいて回答するため、根拠となる情報がない場合は「明確な記述はありません」と返ってきました。
それだけでなく、質問に近い答えを探して返してくれるため、会話のキャッチボールをしやすいのが魅力です。
番号をクリックすると、根拠となる部分を左側の「ソースガイド」で瞬時に表示してくれます。

なお、NotebookLMを活用するユーザーのなかには、以下のようなファイルをアップロードしている方を見かけました。
- 医学ガイドライン
- 取扱説明書
- 契約書
- 論文
- 辞書
瞬時に情報を探したいデータがあるときほど、NotebookLMを有効活用できるでしょう。
さまざまな用途で活用できる、かなり便利なAIツールです。
3. 回答を保存する
チャットで質問した回答は、右上のピンマークを押すことでメモとして保存できます。
学習で忘れないようにしたいときや、仕事で情報を整理したいときなどにとても便利です。

私の場合は、Webライターとして情報を整理するときに役立ちます。
自分だけの資料作りができるため、業務の効率化につながるでしょう。
4. 自分でメモをする
チャットの回答をメモとして保存するだけでなく、思いついたことをその場でメモすることも可能です。「メモを追加」をクリックするだけで、簡単に書き込めます。

単に忘れないようにメモを取るだけでなく、メモから発想力が広がっていく感じがすばらしいと思いました。
NotebookLMはインプットだけでなく、アウトプットにも最適なツールです。
NotebookLM×スキャンピーで学習を効率化する3つの方法

NotebookLMとPDF化した本を組み合わせれば、読書や学習を劇的に効率化できます。
文字を読むのが苦手な私にとって、かなり使いやすくて便利な学習方法です。
ここでは、私が実際に試して感じた、学習を効率化する方法を紹介します。
1. ジャンルごとにファイルを分けておく
2. 学習ガイドを活用して学ぶ
3. 保存とメモで要点をまとめておく
1. ジャンルごとにファイルを分けておく
- 医療情報
- 不動産情報
- 英語学習
- マーケティング学習 など
情報を整理したいジャンルごとにファイルを分類すると、学習(勉強)や仕事の効率化につながります。
例えばWebライターとして仕事をする私の場合は、執筆するジャンルごとにファイルを分類すると効率化しやすいのが嬉しいです。各ジャンルで情報を探すときに時間を短縮できます。
1つのファイルにはPDFやWebサイトなど、形式の異なるファイルを最大50個までアップロードすることが可能です。
さらに、そのときに使いたいファイルだけを選択して、必要な情報を探し出せます。
専門分野の勉強をしていて、テキストが増えてしまった方にもおすすめです。学んだことを思い出すために、わざわざテキストを見つけて該当箇所を探す手間が減るでしょう。
2. 学習ガイドを活用して学ぶ
学習ガイドで生成された問題をコピーしてチャットに入れれば、より詳しい解答を生成してくれます。根拠(ソース)を提示して解説してくれるため、理解が深まるのがメリットです。

もしわからない部分があれば、さらにチャットで質問して知識を深められます。理解度を確認しながら学習を進められるのが特徴です。
3. 保存とメモで要点をまとめておく
生成された情報と自分のメモを活用し、よく使う説明文やデータなどをピンで保存しておくとすぐに見返せます。
Webライターの場合は、医療や不動産など、本やデータの内容を参考に書くジャンルほど適しているでしょう。
私自身、今までは参考になるURLをGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートにまとめて管理していました。しかし、それだとわざわざURLをクリックして該当箇所を探さなくてはいけないため、時間がかかっていました。
NotebookLMなら自分だけの資料をカスタマイズしてまとめられるため、資料の管理にとても便利です。
PDFファイルだけでなく、URLやコピーしたテキストなどと一緒に管理できるため、使いやすさがあります。
NotebookLMでPDFファイルをアップロードするときの注意点

実際にPDFファイルをアップロードしてわかった注意点を紹介します。NotebookLMを使用する前に確認しておきましょう。
1. 200MB以上のファイルはアップロードできない
2. OCR処理をしておく必要がある
3. 文字化けしやすい本もある
1. 200MB以上のファイルはアップロードできない
NotebookLMでは、200MB以上のファイルをアップロードすることができません。エラーメッセージが表示されるため注意しましょう。

分厚い本をPDF化すると、200MB以上になるデータも多いため確認が必要です。
200MBを超える場合は、Webソフトやツールを使って圧縮することをおすすめします。
さまざまな圧縮ツールがあるなかで「Adobe Acrobat」は問題なく本を圧縮できました。
複数のツールを使ってみましたが、ツールによっては圧縮ファイルのエラーでアップロードされなかったり、文字化けで文章がまったく読めなかったりします。NotebookLMとの相性が悪いのかもしれません。
もしくは、少し手間がかかりますが、ページを分割できるソフトを使うのがおすすめです。
無料でダウンロードできるソフト「UPDF」を使ってみたところ、とても簡単にファイルを分割できました。圧縮よりも無料ソフトのほうがスムーズに対応できるでしょう。
上記2つの方法は、NotebookLMで問題なくファイルを読み込むことを確認しました。
なお、今後NotebookLM自体がアップデートされ、対応できる容量が上がる可能性もあります。まだ完璧な状態ではない点を理解しておきましょう。
2. OCR処理をしておく必要がある
OCR処理は、文字を検索できるようにする処理のことです。本の場合、わざわざ目次に戻らなくても知りたい情報をすぐに探せます。
OCR処理がされていないPDFファイルをアップロードした場合、「ソースが空です」と表示されて何も出てきません。

スキャン代行サービスでPDF化する場合は、OCR処理をしてもらうのが必須です。
ちなみに私が利用したスキャンピーのOCR処理は、精度が95%ほどとされています。とても快適に使えているので、本のPDF化を検討している方におすすめです。
なかでも「バリューパック」というプランは、OCR処理付きのお得なパックとして人気があります。私自身も利用したサービスなので、PDF化の際はぜひご活用ください。
3. 文字化けしやすい本もある
アップロードする本によっては、文字化けしやすいタイプがあります。
特に独特なフォントを使っている場合は、まったく別の文字として認識されることがありました。

このような文字は、OCR処理がされていてもうまく反応しないのが残念な部分です。
また、雑誌や料理本など、文章がメインでない本はNotebookLMに適していません。図解が入っていると文字化けや段落がおかしくなるため、デザイン性の高い本は向いていないといえるでしょう。
ただし、この記事を公開した時点での機能で確認しているため、今後改善される可能性はあります。
まとめ:NotebookLM×スキャンピーで学習を効率化しよう

PDF化(電子化)した本をNotebookLMにアップロードして活用すると、学習(勉強)や仕事の効率化につながります。
本との相性はあるものの、使い方次第でかなり効率を高められることがわかりました。
また、本だけでなく、論文やネット上の資料などを簡単にまとめられるのもNotebookLMの魅力です。自分だけのファイルをカスタマイズできれば、膨大な資料からデータを探す手間が省けます。
今後さらにNotebookLMの精度が上がるかもしれないため、動向に期待しましょう。まずはぜひ実際にデータをアップロードして、NotebookLMの優れた機能を体感してみてください。